占星術セッションの具体的手法「プラスの構築型セッション」について

みなさん、こんにちは。
SMAS占星術スクール・代表の太田理恵です。

私はこれまで、メール鑑定においては、いくつかのバリエーション（恋愛占い、年間占い、金運鑑定など）を持っていて、個々のテーマごとにそれぞれポイントや手順を定めて鑑定指導を行なってきたのですが、セッションについてはそのようなことを意識したことがなく、ざっくりと「セッション」として指導してきました。

しかし、ある時、受講生から鑑定の相談を受けて、【問題・不安・悩みの解消やこれ以上悪くなりたくない・失敗したくない】という状況の方の星読みと、【目標達成・願望成就、成功したい・良くなりたい】という状況の方の星読みでは、持つべき視点が全く違うよ、という話をする機会があり、そこから、セッションというのは、まず２つの手法を持って、それぞれのケースに当たるようにするといいなと考えるようになりました。

まず、一つ目の【問題・不安・悩みの解消やこれ以上悪くなりたくない・失敗したくない】という状況の方を読む場合ですが、これはマイナス回避を目的とすることになるため、星の使い方に慎重さを必要とします。安全第一。消去法が有効です。

次に、【目標達成・願望成就、成功したい・良くなりたい】という状況の方の場合、つまり、プラスの構築が目的となる場合は、大らかに、擦り傷くらいは折り込みながら、小さくても希望は全部拾って、一歩でも前に進むことを優先します。

プロ占い師として活動していく上で、少なくともこの２パターンのセッション方法はできるようになっておくべきだとを思いますし、さらに言えば、本人が「マイナス回避」を希望していたとしても鵜呑みにせず、「プラスの構築」に振れる要素はないか。また、反対に「プラスの構築」を希望していたとしても、避けるべきマイナスを見落としていないか、精査するステップも自力でこなせるようになることが大切です。

この記事では、新たに指導をスタートした「プラスの構築型セッション」について、セッションの流れ、それぞれのフェーズにおいて意識しておきたいポイント、具体的な手法をご紹介していきたいと思います。

SMAS占星術スクールで学ぶ受講生はもちろんのこと、これからプロ占い師を目指される方やセッションのバリエーションを増やしたいと考えている方の参考になれば幸いです。

 「プラスの構築型セッション」のフロー

プラスの構築型セッションのフローは、以下の３ステップにまとめることができます。

1️⃣ 目標設定 → 2️⃣ タスク化 → 3️⃣ スケジューリング

プラスの構築型セッションでは、この3ステップを占星術を用いながら進めていくことになります。

ではそれぞれのステップについて具体的に説明していきましょう。

Step1 目標設定

Step1で設定する目標は、あまりガチガチに決め過ぎないのがポイントです。
旅先で言えば、「ソウルで韓国グルメ食い倒れ１泊二日！」のような感じではなく、「なんか辛いもの食べたいな〜」ぐらいの感じで、まずはぼんやりと向かいたい方向性を描きましょう。
体も心もリラックスした状態で、「これから私はどんなところに行きたいのでしょうか？何を体験したいのでしょうか？」と自分で自分に問う感じです。心に浮かんでくるものを否定せず、そのまま受け止めて、少しずつ言葉にしていきましょう。
何も浮かばない、言葉にするのが難しいと感じるときは、この中でどれが一番ピンとくるか、感じてみるのも効果的です。一つでも複数でもOKです。

・仕事の成功
・日常の幸せ感や満足感
・新しい扉を開くような刺激やワクワク感
・自分自身の向上や成長

自分の今の心がどっちの方向を向いているか探るような感じからスタートです。見当が付いたら、よりしっくりくる言葉、自分らしい、身近な言葉を使って、このほわわんとしたイメージを少しだけ形にしてみましょう。

たとえば

・もっと綺麗な自分を見てみたいなあ。今は眠ってる自分の魅力をもっと引き出したい。
・いつもお金が余ってる感覚で生きていきたい。
・地域や近所でつながって、その交流の中から自分の活動を発展させたい。

こんな感じです。

これらはプロフェッショナル育成コースの受講生に対して「プラスの構築型セッション」を実施した際に、ステップ１で実際に生まれた目標です。ここに行き着くまでに、20〜30分、時間がかかっています。お互いにしっくりくる、腑に落ちる言葉になるまで、焦らず丁寧に対話を重ねましょう。

そして、ここがとても重要なのですが、最初から正しい目標が出てくることはほとんどありません。たとえば、「マイナスの回避」的な目標が出てきたり、自分の感覚から来たものではない、ありきたりなものが出てくることも多いです。そこで対話を重ねて、正しい目標を引き出していくわけですが、ワークを通して出てきた目標が、本当にその方にとって良いものになっているかどうか、チェックするポイントが２つあります。それは次のとおりです。

(1) 恐怖や不安を埋めるものになっていないか
(2) 目標を口にするだけで、気持ちが高揚し、表情がキラキラと明るくなるか

恐怖や不安を解消したい、満たされない思いを埋めたいという感情からスタートしている場合は、目標を口にするとなんだか気が重たくなります。ストレスやプレッシャーを感じるような目標は、「プラスの構築型セッション」で設定すべき目標ではありません。
「プラスの構築型セッション」で正しい目標が設定できると、セッションがとても楽しいムードになります。クライアントの表情や体からは、強張りや力みが消えます。自然と笑顔があふれ、行動することへの前向きさが引き出されるような目標を設定しましょう。

  Step2 タスク化と目的地までのルートづくり

Step1が無事に終わりました。旅行の計画で言えば、旅先でどんな体験をしたいのか、自分の心が求めるものを素直に言葉にできた状態となります。

Step2の前半は言ってみれば、「タスク化」（やることリストの作成）と「目的地までのルート作り」。Step1で定めた「求める体験」はぶらさず、使えるお金や時間といった自分の持っているリソースを踏まえてもっとも効率的で合理的な目的地を決め、ルートを設定します。

ここでいう自分の持っているリソースというのは、ホロスコープ（出生図）を読むことで明らかになります。

・どんな乗り物でいくのか（飛行機でいくのがいいのか？ヨットでいくのがいいのか？）
・誰といくのか（ソロ旅行？家族と？それとも団体旅行？）
・どのくらいのスピード感でいくのか（ゆったり豪華客船？LCC使って友達の家に宿泊しながら向かう？）

こんなことをホロスコープを読みながら、一つ一つ決めていくのですが、ちょっとイメージしずらいと思うので、A子さんのケースを例にあげながら説明します。

「もっと綺麗な自分を見てみたいなあ。今は眠ってる自分の魅力をもっと引き出したい。」

この目標を設定したA子さんは、水星と木星のソフトアスペクトを持っていました。この場合、目標にたどり着くためには、「知性」を使うのが得策。綺麗な自分になりたいのであれば、シンプルですが、まずは綺麗になるための情報を収集するのが良いでしょう。
金星と天王星のハードアスペクトのためか、もともとは個性の強いものやちょっと変わったものが好きというタイプ。自分の好みだけで突っ走ってしまうと、本人の目指す「きれい」から外れてしまいそうなので、美しさの「王道」を研究してみる。ファッション雑誌を読むなら、今一番売れている王道の雑誌を選んで、そこから自分のスタイルを作ります。 

Step2の後半に入りましょう。ここでやるのは、「目的地までのルート案内図」や「旅のしおり」の作成です。実際に、しおりや冊子を作ってあげるわけではありませんが…「やることはこれです！はい、やっといてね！」と投げるだけでは、不安が出てきたり、迷ったり、途中で挫折してしまったりすることも多くなるでしょう。クライアントが心地よく快適に、楽しんで、目的地までのルートを歩けるよう、クライアントの性質に合ったしおりや案内図を作ってプランを提案をしてあげてください。

これを占星術の視点で解説するなら、ホロスコープのサイン区分（火地風水やCFM）の偏りやオーバーロードの特徴など、主にサインから読み取れる思考パターンや価値観に合わせてルートの進み方を提案するということになります。

例えば

・火のエレメンツが強い方に対しては
→ルートはざっくり。そのときそのときの直感を優先できる余白を残す。

・地のエレメンツが強い方に対しては
→ルートはタスクまで落とし込み、生活に馴染むルーティンまで決める。

・風のエレメンツが強い方に対しては
→この提案は数ある方法の一つであるというスタンス。押し付けない。本人の知性による選択を促す。

・水のエレメンツが強い方に対しては
→不安や気持ちの浮き沈みに寄り添いながら、共に進むムードを大切にする。

このような感じです。

さらに、オーバーロードの星座がある場合はそこも考慮に入れます。たとえば、乙女座オーバーロードなら、本人が少し頑張れば手の届くような堅実な計画が求められますが、射手座のオーバーロードにそれをやると、つまらない、やる気が出ない、となってしまいます。 

A子さんは乙女座のオーバーロード。A子さんには、毎週土曜日の午前中に、ファッション研究・ダイエット研究のための時間を作ることを提案しました。雑誌を読んでファッションの研究をしたり、ダイエットの知識を増やして自分のライフスタイルに取り入れるための作戦を練るのです。乙女座が強い方は、ルーティンをこなすことに強みがあるので、やることとタイミングを決めてしまうと着実に前に進むことができます。
  

  Step3 スケジューリング

さあ、これからどこに向かっていくのか、そこにたどり着くために武器として使える自分はどんな自分で、具体的にどんなことをしていくことで、前に進んでいけるのか。そういったことが明らかになったところで、次にすることは、今後一年ほどを見通して「このタイミングでこれをやろう」という、イベントのフラグを立てていくことです。

ここでは、占星術の未来予測のスキルが欠かせません。プログレス天体とトランジット天体による未来予測はもちろん、「プラスの構築型セッション」においては、小さなチャンスも逃さず拾っていくので、ハーフサムまで加えて未来予測をするのがベストです。

こちらは、A子さんに今後1年の間に訪れる星回りをまとめた時期表です。

2023年の8月から10月にかけて、火星♂と木星♃トランジットがトライン120度を作ります。これは自分の魅力を周囲の人に向けてのびのびと表現できるタイミング。この時期は外出や交流が楽しく活発になるので、ダイエットやおしゃれにも磨きがかかります。華やかなイベントに参加したり、自分のモチベーションアップにつながるような人たちと積極的に交流するのが良さそうです。

10月から11月にかけては、月☽と土星♄トランジットがトライン120度を作ります。これは、ストイックな自己管理が成果をもたらす星回り。自分で決めたことのために、サボらず、コツコツと努力を継続することができ、その努力を習慣化することができるので、ダイエットを頑張るのには最適なタイミングとなるでしょう。

11月は太陽☉と天王星♅の120度がスタート。転機のタイミングがやってきます。変化が自分の人生を好転させる時ですから、この時期のイメージチェンジやライフスタイルの刷新には大きな成果が期待できるでしょう。さらに11月にはハーフサム軸の火星/木星に冥王星トランジットが触れるタイミングも重なって、自分をアピールするのにも最適です。自分自身の変化を、周囲の人たちに知ってもらう大きなチャンスが訪れていますので、まずは、11月の下旬あたりを目処にダイエットやオシャレ研究を頑張っていくと良いと思います。

そして、今後1年の間で、最大の魅力up期は金星♀と月☽プログレスが120度を作る3月・4月。特に3月後半から4月にかけては判断ミスを誘う木星♃/海王星♆のハーフサム軸が外れ、火星♂と木星♃トランジットの120度、太陽☉と天王星♅の120度も加わり、今後1年間では一番の運気上昇期と言えます。

A子さんはこれらを踏まえて、ずっと挑戦してみたかったプロフィール撮影を11月から12月にかけてに一回、3月後半から4月にかけて一回、設定し、そこに向けて日々のモチベーションをコントロールすることにしました。

このようにStep3は、時期読みをしながら、これから訪れるいくつかの幸運期にフラグを立てて、そこにピッタリのイベントを企画し、スケジュール帳に記入していくフェーズとなります。

最終的には、Step2前半でホロスコープにあるものを活かせるルートを描き、Step3で作成したホロスコープの可能性を引き出せるイベントを通りながら、Step2後半で設定したホロスコープの良さを殺さないモードで前進し、Step１で描いたゴールにたどり着く。そんなイメージになります。

プラスの構築型セッションを習得するには？ 

以上がプラスの構築型セッションの具体的手法です。いかがだったでしょうか。

最後に、このプラスの構築型セッションができるようになるために必要とされるスキルと、習得する際におすすめできる当スクールのカリキュラムをご紹介いたします。

Step1の目標設定

Step1で必要となるのは、星読み・占星術のスキルではなく、カウンセリング能力と相手の思いを明確な言葉にする言語化の能力です。
私はカウンセリングの専門的な指導ができる立場にはありませんが、4年のキャリアコンサルタント経験と7年の占い師経験に基づき、本セッションを実施する範囲内でのアドバイス・指導は可能です。カウンセリング能力の向上が必要な方は、プロフェッショナル育成コースもしくはマンツーマンレッスンなど、直接対話できる機会でご相談ください。

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▶️マンツーマンレッスンは現在、「月額制動画見放題プランStarLeap」および「人気運upの占い方講座」の受講生のみがご利用いただけます。

言語化能力に関しては、プラスの構築型セッションに限らず、占い師の活動全般において求められる能力です。こちらはSMAS LV.2やLV.4にて訓練が可能です。また、カウンセリン能力の向上と同様に、プロフェッショナル育成コース・もしくはマンツーマンレッスンなど、直接対話できる機会でもご相談いただけます。

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Step2前半のタスク化

Step2の前半で求められるのは、出生図の読み解きスキルと表現力です。これは、LV.1・LV.2で習得することができます。ただし、さまざまなパターンのチャートに対して、一人一人の目標に合ったタスクを提案するには、小惑星を加えた出生図の読み解きにも慣れておくことが望ましいです。現在、小惑星については、プロフェッショナル育成コースにて個別に指導しています。

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Step２後半のしおり作り

こちらはLV.１星読み基礎講座の知識が最も大切です。

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Step3スケジューリング

Step3のスケジューリングで必要とされるのは、言うまでもなく、時期読みのスキルです。時期読みの基本は、LV.3とLV.4で学ぶことができます。
プラスの構築型セッションは、小さなチャンスも一つ一つ丁寧にすくって見ていく必要がありますので、さらに詳細に時期を読むことができるハーフサムの知識も身につけておくことが望ましいです。ハーフサムは、プロフェッショナル育成コースや人気運upの占い方講座で学ぶことができます。

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SMASの講座は、バラバラに受講するよりもまとめてコースとして受講することで、かなりお得になるよう設定されています。
LV.1〜LV.４までの講義を最もお得に学べるのは、西洋占星術ベーシックコース。月々22,000円で学ぶ、1年のコースです。

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プラスの構築型セッションの習得を目指すなら、プロフェッショナル育成コースまで受講することがオススメですが、プロフェッショナル育成コースは西洋占星術ベーシックコースから進学することでお得になります。

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